◎とあるハー〇オフのジャンクコーナーにフィルターを外そうとして失敗した様なシグマの「SIGMA MACRO 105mm f2.8 EX」が北里さん2枚の価格で置いてあり、興味のあった自分はそのままレジへ直行しました^^;
今回はこの「SIGMA MACRO 105mm f2.8 EX」のフィルターを外して分解清掃し、作例を撮った内容になっています。
このマクロレンズ「SIGMA MACRO 105mm f2.8 EX」はEXシリーズがスタートした1998年に発売され、2002年にDの付いた「SIGMA MACRO 105mm f2.8D EX」(デジタル対応? 外観は無印EXと同じ)が発売され、2004年に完全デジタル対応となった「SIGMA MACRO 105mm f2.8 EX DG」が発売されました。
そして2011年に手振れ補正と超音波モーターが付いた「SIGMA MACRO 105mm f2.8 EX DG OS HSM 」が発売され、2025年にEXシリーズの生産が終了したみたいです。
1998年発売 当時の価格は5万くらいだった様です。 レンズ構成: 10群11枚 最小絞り: F45
絞り羽根枚数: 8枚 最短撮影距離: 0.31m フィルター径: 58mm 外寸: 74 x 97.5mm
重さ: 454g 付属のレンズフード: LH580-02 最大撮影倍率: 1:1
参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。
①外れないフィルター外しから
A: 前のオーナーさんがペンチで頑張って外そうとしたみたいです。
B: こうした時はフィルターガラスを外すと外れる事があるのですが、このタイプは外れません。
そんな時はネジ側の力を抜いてあげるようにフィルターの前枠を外側に向かって全周曲げていくと…
C: フィルターを回して外す事ができます。
D: M/A切換が渋いので、まずフォーカスリングゴムを外します。
②M/Aリンググリスアップとヘリコイド
A: テープを剥がします。
位置決めはありませんが一応組合せ位置のマーキングをしておきます。
B: フォーカスリング前側を外します。
C: ボールを固定している板バネを外し、ボールも外してグリスを塗布しておきます。
D: AFにありがちなドライタイプのヘリコイドはゴミや砂が入るとロックするので、エアーダスターで綺麗にしておきます。
③マウントの分解
A: まず遮光カバーを外します。
B: 次に電子接点を固定している2個のネジを外します。
C: 電子接点をフリーにしたら、マウントを固定しているネジを外します。
D: マウントを外します。
④AFモーターベルトの点検
A: マウントのスペーサーの取付位置をマーキングして外します。
B: ここが古くなるとスリップしてしまうベルトで、ギヤが欠けてないかもチェックします。
ギヤが欠けていたら一世代前のシグマAFレンズから部品取りできるかもしれません。
C: 手持ちのアマゾンから購入したベルトにはマッチングするサイズがありませんでした💦
D: とりあえずまだスリップしていないので、「ベルト鳴き止めスプレー」でグリップ強化&保護をしておきました。
⑤後群と前群のレンズ分解清掃
A: 後群レンズユニットは回せばそのまま外れますので、清掃します。
B: 前群レンズは前のロックリングを吸盤オープナーなどで外し、レンズサッカーなどで慎重に外していきます。
この時にレンズとスペーサーの向きもマーキングしながら外すと良いです。
C: 外した前群レンズを清掃します。
D: 奥のレンズを外すには中の鏡筒を外さないといけないので、まず基盤に繋がっているフレキシブルケーブルの接続ハンダをはんだ吸取線で吸収します。
⑥中の鏡筒外し
A: フレキシブルケーブルを外したら断線させない様に慎重に扱って下さい。
ここでしっかりフレキシブルケーブルの取り回しを確認します。
B: 外す前に最短撮影距離位置での前鏡筒の位置をマーキングしておきます。
C: 先端の飾りリングは両面テープで固定してありますので、ドライヤーで温めて剥がします。
そしてネジで固定してある調整部に位置マーキングをしたらレンズを無限遠側に縮めてネジを外します。
D: フレキシブルケーブルを傷めない様、慎重に中の鏡筒を取り出します。
⑦ヘリコイド清掃と中玉外し
A: ヘリコイドをゆっくり慎重に回し、外れる瞬間の位置をマーキングしておきます。
B: 外したヘリコイドはエアーダスターで綺麗にし、もし動きが悪い場合はグリス厳禁なので、ドライタイプの「鍵穴の薬」をちょっと吹くと良くなります。
C: 中の鏡筒はこんな感じで外れます。
D: 中玉を固定しているネジを外します。
この時に右にある絞りリターン確認用のスイッチに接点グリスを塗っておくと良いです。
⑧中玉のお掃除
A: こんな感じで中玉は外れます。
B: 中にカビがある時はハメゴロシの枠を削るか&広げ、ドライヤで温めるとレンズを外す事ができます。
C: 清掃したら組み立て、枠を再び溶かして固定するか&ホットボンドなどで固定し直します。
☆組み立てはまずヘリコイドを外れた瞬間の位置から入れ、画像⑥のBでマーキングした位置で止めたらフォーカスリングを最短撮影距離位置で組み立てます。
次に中の鏡筒をフレキシブルケーブルを傷めない様に入れ、画像⑥のCのマーキング位置で固定します。
ゆっくりフォーカスリングを回しながらフレキシブルケーブルが接触&変形しないか確認しながらレンズを縮め、フレキシブルケーブルをハンダ付けすればOKです。
⑨「SIGMA MACRO 105mm f2.8 EX」の作例
先月の桜: 開放F2.8
使用カメラはキャノン「EOS KISSx4」になります。
⑩佐奈川堤の桜
⑪菜の花
⑫桜の雄しべ雌しべ
⑬花団子を付けたミツバチ
⑭桜の花
⑮石材店
⑯パンジー
⑰天竜浜名湖鉄道 エヴァンゲリオン号
⑱気賀駅の桜
⑲天竜浜名湖鉄道 ゆるキャン△号
⑳花の水滴
F5.6
上ではなくて、花の雌しべにある水滴にピンを合わせています💦
㉑信号待ち
㉒夜の交差点
☆105mmとあってボケも綺麗ですし、等倍撮影できるのが何より便利でした。
ただ等倍撮影時に手振れ補正が無いので苦戦する事もチラホラ💦
AFはHSMモーターではないので、FULLにするとそれなりに時間が掛かりますが、ワンタッチでMFに切り替えられるので慣れれば問題ありませんでした。
◎レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、レンズの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしレンズを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)
コメントはできればこちらの「ヨッシーハイムannex」ヘお願いします。
以上、【シグマ「SIGMA MACRO 105mm f2.8 EX (EF)」分解清掃・作例】でした!
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