◎「OLYMPUS ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4」を分解・清掃してみました。
このレンズは当時とても売れたらしく、ハードオフへ行くと良く見かけますよね。
今回はジャンクボックスから救出してきた「OLYMPUS ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4」のカビレンズをクランケ(患者)としてオペしようと思います。
このレンズは前群、中群(前後)、後群の計4ユニットで構成されていて、ズーム機構を分解せずに清掃できるので楽だと思います。
(2021/12/13位置マーキングの記述を追加: 今更で申し訳ありません)
質量440g 最短撮影距離1.6m 絞り羽枚数8枚 レンズ構成11群15枚 フィルター径49mm
参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。
①それではレンズを分解・清掃していきます!
まずはAの部分を手で固定し、フード部分を反時計方向に回して外します。
そして前群ユニットの位置をマーキング(ここは無限遠調整になっています)し、
Bのイモネジを4個取り外します。
(組む時にネジ穴に光を当ててネジの打痕に合わせる方法もあります)
そして前群ユニットを一度「時計方向」に回し、マーキングをした位置から締め付け完了位置までの回転角をメモしておきます。(このレンズは1.2回転でした)
そして前群ユニットを反時計方向に回して外します。
②前群ユニットを分解・清掃します
前玉は銘板を外せば外れます。
前群後ろのレンズも短い筒状の押さえリングを手で回せば外れます。
注意点として、レンズの向きを間違えないようにマーキングしてから分解・清掃していきます。
③中群(変倍レンズ群)を外します
中群ユニットを「カニ目レンチ」などを使って取り外しますが、まれに蓋だけが外れてしまう場合があります。
それでもこの中群ユニットは奥にもカニ目レンチ用の穴があるので大丈夫だと思います。
④中群ユニットを分解・清掃します
各レンズの押さえリングが固くて取り外せない場合は、ネジ山にちょっと無水エタノールなどを染み込ませ、数分待って緩めば大丈夫だと思います。
必ずレンズには向きのマーキングを忘れずにしておいてください。
(忘れてもこのレンズの構成図は沢山出回っているのでググるといいです)
そして各レンズを清掃して組み立てます。
⑤中玉(奥)を取り外して清掃します
カニ目レンチを使って押さえリングを取り外し、レンズサッカーなどでレンズを取り出します。
(望遠端か広角端にするとカニ目レンチが届きやすくなります)
この時、固くてレンズが取れない時はドライヤーなどで鏡筒を温めると外す事ができると思います。
取り外したら必ず向きマーキングをし、レンズを清掃したら組付けます。
⑥後群ユニットを取り外す準備をします
まずこのレンズ後群は調整されていますので、マウントからの突き出し量を測定します。(このレンズは0.5mmでした)
もしノギスなどが無い場合はズームリングの穴から覗いてネジの打痕に合わせればOKです。
次にマウント遮光板とマウントを取り外します。
そして絞り伝達レバー類を3カ所、必ず位置マーキングしてから取り外します。
(写真⑧を参照して下さい)
⑦後群ユニットを取り外します
ズームリングのラバーリングをずらすと「ネジ穴」が8カ所見えますので、ネジの位置マーキングをしておきます。
次に後群ユニットを固定している4本のネジを取り外します。
この時に取れたネジが鏡筒の中に入らない様に、ネジを緩める時は「ネジ穴を下向き」にして緩めます。
そして後群ユニットを矢印の向きにずらせば抜く事ができると思います。
⑧後群ユニットを分解・清掃します
幸い、ユニット内部はカビに侵されてなかったので、外回りの清掃で済みました。
もし内部にカビがあったら分解・清掃する必要があります(レンズは5群6枚です)
そして元通りに組み立てて完成となります。
お疲れ様でした!
⑨「OLYMPUS ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4」の作例
使用カメラは「キャノン EOS KISSx3」で、絞り値と画角はすっかり忘れてしまいましたが、景色以外は開放付近を使っていたと思います。
⑩ヒメジオン
⑪川岸の風景(広角端75mm)
⑫川岸の風景(望遠端150mm)
2倍ズームなので物足りない感じもしますが、無理をしていない分、画質が良い感じがしました。
⑬鉄塔
⑭向日葵
⑮アガパサス
◎この「OLYMPUS ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4」はシャープネスと発色も良く、ボケも綺麗で良いレンズですね♪
今はオリンパスが赤字のカメラ事業をやめるかもしれないと言っていますが、縮小しても続けて欲しいと思っています。
ガンバレ! オリンパス!
レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、落ち着いて慎重に行って下さい。
あと自己責任でお願い致します(汗)
以上、【「OLYMPUS ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4」分解・清掃】でした。
2019年の更新はこれで最後になります。
皆さん良いお年を♪
コメント
ネットで買った¥1500のレンズの前玉にカビが生えていたので、分解しようと思って情報を探していました。参考にさせて頂きます。前群ユニットの位置をマーキングする、というのを画像で具体的に示して頂けると、さらにわかり易い(その後の作業で分かるのだと思いますが)と思いました。
古いフィルムカメラを使っていると、故障やカビとの闘いなので、非常に助かります。
ご訪問&コメントありがとうございます^^
ご指摘の件はまた後日にこのレンズを発見したら更新しようと思います。
多忙の為にちょっとお時間が掛かるかと思いますがご了承ください
そしてご意見を参考にして今後の記事に役立てようと思います。
ありがとうございました^^