◎とあるリサイクルショップのジャンクボックスから救出してきたオリンパス「OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5」です。
ジャンクの理由はレンズ内のカビで、古いZuikoに割とあるレンズのクモリではなかったので作業は楽に進みました。
しかしながらこのレンズの清掃作業をしたのが2年前の為、間違っている箇所もあるかと思いますのでご了承ください(汗)
1972年頃発売。 当時の価格は¥62.000 レンズ構成4群5枚
最短撮影距離230mm 最大撮影倍率1:2 絞り羽根枚数6枚
外寸40mm×60mm 重さ約200g
ZuikoのOMレンズは今まで悪いと思ったレンズは1つもありませんでした。
人気があるのも頷ける性能で、この標準50mm/f3.5マクロもその1つだと思います。
そういった理由なのか、リサイクルショップでは人気のZuikoレンズに出会える確率はほとんどありません^^;
参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。
①それでは分解・清掃していきます!
B:いきなりマウント部分は外さずに、なるべくゆっくり外し、隙間から各リンクの入る場所と噛み合う位置を記憶するか写真を撮っておきます。
C:フローティングシステムのスライダー溝板を外しますが、念のために外す前の位置をマーキングするか写真を撮っておきます。
後ろ玉を押さえているパーツを外し、後ろ玉の向きをマーキングしてから外します。
D:銅枠とレンズは分離できませんので、銅枠ごとレンズを清掃します。
②各レンズの清掃
A:フローティングシステムの回転リングを外し、矢印のマイナスネジになっているピンを外します。
B:慎重にこちらも銅枠ごとレンズを外し、取付方向をマーキングしてレンズを清掃します。
因みに向きを忘れても、後群のレンズは両方共「カメラ側」へ凸になっています。
C:銘板が固くて緩まない場合、銘板のネジの隙間にエタノールをちょっと垂らして3分待ちます。
銘板を外すと前枠、クリック溝板、絞りリングが外れますが、この時に矢印のクリックボールを紛失しない様に注意します。
D:前玉を抑えているリングナットを外し、前玉を外して清掃します。
③フランジ部分を外し、中玉を清掃します
ここの中玉が曇っている事がありますが、このレンズは貼り合わせにもなっているので、慎重にレンズの状態を判断します。
もし曇っているのなら酸化セリウムで研磨する方法がありますが、コツは「欲張らない事」です。
研磨できる深さは製造誤差ギリギリが限界なので、少しクモリが残る位が良いと思います。
あとレンズを研磨してもまた曇ってくる確率が高いですので…(汗)
もしバルサム切れならレンズを剥がして貼り直す必要があります。
あとは逆の手順でレンズを組み立てて完成となります。
④組む時の注意点
絞りの指標と距離の指標が一直線になる様に組み立てます。
忘れましたが、確か絞り指標が反対側の向きでも組めた気がしたので^^;
⑤レンズの分解・清掃作業の完成
このマクロレンズは「フローティングシステム」があるのでちょっと神経質になる箇所がありますが、他は単焦点レンズなので簡単だと思います。
(絞り羽根の清掃やヘリコイドグリス交換だと全分解が必要ですが…)
それでは実際に使ってみましょう☆
⑥「ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5」の作例
ハルジオンとハナアブ?絞り値は完全に忘れてしまいましたが、ほとんど開放f3.5で撮影したと思います^^;
カメラはAPS-C機の「CANON EOS KISSx3」になります。
⑦アオスジアゲハとハルジオン
⑧風景
⑨公園の水飲み場
⑩柵の欄干
⑪キンセンカ?
⑫ノースポール
⑬公園のベンチ
⑭夕焼けに染まる街
⑮看板
とにかく小さくて軽く、接写から風景、夜景まで気軽に使えるオールマイティーなマクロレンズだと思います。
前玉レンズも奥にあるのでフードには拘らなくても良いと思います。
開放でも良く写りますが、このレンズで一番美味しいのはf5.6くらいだと思いました^^
☆レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、落ち着いて慎重に行って下さい。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、参考程度にして下さると嬉しいです。
あとレンズの分解・清掃は必ず自己責任でお願い致します(汗)
以上、【OLYMPUS 「ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5」分解・清掃・作例】でした!
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