キャノン「EF28-105mm F3.5-4.5 USM」分解清掃・作例

キャノン

◎かなり前にリサイクルショップのジャンクコーナーで買った「Canon EF28-105mm F3.5-4.5 USM」なんですが、あまりにカビが酷くて放置していました^^;
ふとこのカビ状態でどんな写りをするのか試してみたくなり、カメラに付けて持ち出してみたらなかなか面白い写真が撮れるものだと思いました。
でもやっぱり本来の写りも確かめたくて分解清掃したのが今回の内容になっています。

1992年11月発売  当時の価格は¥52.000  レンズ構成: 12群15枚
絞り羽根枚数: 5枚  最小絞り: F22-27  最短撮影距離: 0.5m
最大撮影倍率: 0.19倍  フィルター径: 58mm  外寸: 72x75mm
重さ: 375g
個人的にこのデザインが好きなんですが、ドフにあるこのレンズは大抵カビていますね💦

参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。

①まずはカビの状態からご覧ください💦

カビの状態はとにかく酷く、向こうが真っ白に見えるくらいでした。
ここまでカビるにはおそらく高温多湿の押し入れに20~30年くらい寝かしていたのでしょうね^^;
カメラに付けて思ったのは、こんなので本当に写るのか?でした。
それにコントラストが全く失われているので、AFがほとんど合焦しませんでした💦

②超カビ玉「Canon EF28-105mm F3.5-4.5 USM 」の作例

使用カメラはAPS-Cの「キャノンEOS KISSx4」で、AFを合わす為に一旦コントラストの高い被写体に合わせてから構図を決めて撮りました^^;

③光を意識して撮ると面白いカビ玉

もろ逆光は流石にダメでしたが、カビ玉ソフトフォーカスは光学的なソフトフォーカスレンズやソフトフォーカスフィルターとはまた違う世界観に感じました。
カビ玉は光が中のレンズの有機物を介するのに対し、光学的なソフトフォーカスは収差を利用、ソフトフォーカスフィルターは前ガラスのみになっているので、また機会があったら比較してみたいです。

④それでは「EF28-105mm F3.5-4.5 USM」を分解清掃していきます

A: まずプラ製の飾りリングを外しますが、これは押し付けると簡単にネジ山を越えてしまいますので、優しく押しながら回して外します。
B: 次にフィルター枠を固定しているネジ3個を外します。

C: 外す前にフィルター枠の取付位置を確認しますが、これはフードを取り付ける印が付いていて、Canonのロゴに一致していると思います。
組み立て時もここを合わせて組み合わせて下さい。
D: ゆっくり反時計回りに回すと指標線で外れますので、組み立てもそれに従います。

⑤1群レンズユニットとマウントの取り外し

A: 1群レンズユニットの取付位置マーキングをしたら、固定している3個のネジを外します。
B: 1群レンズユニットを外してレンズを清掃しますが、カビが内部にある場合はハメゴロシレンズの固定枠を削ってレンズを取り出す必要があります。

C: マウントの電子接点を固定している2個のネジを外します。
D: 次にマウントを固定している4個のネジを外しますが、ここですぐにマウントを外すと中のフレキシブルケーブルが千切れますので次をご覧下さい。

⑥マウントの取り外し

A: まずズームリングを回して後玉を奥へやります。
B: 次に電子接点の反対側からマウントを優しく開き、指が入るくらいになったら遮光パーツを後ろから押して外します。
この時にフレキシブルケーブルを切らない様、慎重に作業して下さい。

C: 遮光パーツが外れたら次に電子接点を外し、マウントを外します。
D: マウントを外したらフレキシブルケーブルの亀裂やハンダ付けの剥離をチェックしておきます。

⑦電子基盤の取り外し

A: 基盤のコネクタに入れてあるフレキの固定は2種類あり、それぞれ差してあるだけものと、ロックが付いているコネクタがあります。
差してあるものは抜き差しするだけ、ロック付きはロックを引くとケーブルを抜き差し出来る様になっています。
まず左上を除いた3本のケーブルを外します
B: 次に基盤を固定している1個のネジを外します。

C: そして基盤を浮かせたら、最後に残った左上のケーブルを外してから基盤を外します。
これは組み立ても同じ手順でやって下さい。
D: 5群レンズユニットを固定しているネジ3個を外しますが、ここは調整用のワッシャがユニットと本体の間に入っているので気を付けて下さい!

 

⑧5群レンズの清掃

A: ワッシャが入っているので5群レンズユニットを下にしながら外すと安全です。
B: こんな感じで調整用のワッシャが入っています。(個体差で入っていない場合や位置が違う可能性もあります)

C: 残念ながら中がカビていたので、レンズの固定枠を削ってレンズを取り出して清掃しました。
(自分の場合は削らずに広げて取り出します: 下記参照)
D: マウントの中間部を固定しているネジ3個を外します。

⑨USMモーター固定リングの取り外し

A: マウント中間部は取付位置を確認しながら取り外します。
B: フォーカスリングもそのまま外れますが、取付方向はあっても取付位置は各凹凸に合わせるだけになっています。

C: USMモーターを固定しているリングは内側の凸部をレンズ側の凹部に回せば外れます。
D: 外す前に固定リングを固定している接着剤を剥がしますが、その部分を押す事で簡単に剥がす事ができます。

⑩USMモーターの取り外し

A: こんな感じで固定リングは外れます。
B: USMモーターはケーブルの関係から取付位置が決まっていますので、外す時はここにセットする為のマーキングをしておくといいです。

C: USMモーターを取り外しますが、組み立てる時は順番と向きを間違えない様にして下さい。
D: スライド接点を清掃する為に指標目盛シールの左側をドライヤーで温めてから少し剥がします。

 

⑪スライド接点の清掃

A: スライド接点を慎重に外します。
B: スライド接点の先端を接点復活剤を付けたペーパーに当てて優しく擦り、清掃したらちょっと折り曲げ直しておくと良いです。
これをやっておくと焦点距離による露出の暴れを防ぐ事ができます。

C: ズームリングゴムを外し、隠れていたネジ1個を外します。
D: ズームユニットを固定している3個のネジを外します。

 

⑫ズームリングの取り外し

A: ちょっとズームユニットを奥にやります。
B: ズームリングを反時計回りに回すと画像の位置で外れますので、組み立てる時も同じ位置から入れて下さい。

C: ズームリングを外します。
D: ここはインナーフォーカスを連動させる箇所になりますので、組み立てる時は組み合わせて下さい。

 

⑬電装系のメンテナンス

A: フレキシブルケーブルを傷めない様に気を付けながらズームユニットを取り外します。
B: ズームユニットの組み位置は位置決めピンがあるので組み立て時はここに合わせて組みます。

C: 先ほど外した接点のフレキ側も接点を綺麗にしておきます。
D: ここの光電式エンコーダーの読み込み用透明プラに油滲みがあったり汚れているとAFが合わなくなるので清掃しておきます。

⑭ズームユニットの分解

A: ズームリング連動パーツを外します。
B: フレキシブルケーブルの固定部を外し、フレキシブルケーブルを抜き取っておきます。

C: ズームユニットと外枠との位置関係をマーキングしたら、固定ネジ3個を外します。
D: ズームユニットを外枠からゆっくり引きながら反時計回りに回し、2群フォーカスユニットが外れる位置をマーキングしておきます。

 

⑮ズーム接点のメンテナンス

A: こんな感じで分割します。
B: この時にコロスライダが外れますが、向きがありますので組む時は気を付けて下さい。

C: 電子接点の位置マーキングをして電子接点を外します。
D: この接点も同様に清掃したらちょっと折り曲げ直しておくと導通が良くなります。

 

⑯4群レンズユニットの取り外し

A: こちらの接点も同様に清掃しておきます。
B: 4群レンズユニットを固定しているコロ&ネジを3組外すのですが、ここにはバネが入っているのでできれば袋の中で外すのが無難です
自分はバネを飛ばしてしまって大変な事になりました^^;

C: そして表裏を確認しながら4群レンズユニットを外しますが、組む時は取付位置がありませんので表裏だけ気を付ければOKです。
因みにこの場所にバネが入っています。
D: 3群レンズ&絞りユニットを固定しているネジ&コロ3組を外します。

 

⑰3群レンズ&絞りユニットの分解

A: 3群レンズ&絞りユニットを取り外します。
取付位置はフレキシブルケーブルの固定位置になりますので、組み立て時はここに入れて下さい。
B: ユニットを組み合わせている2個のネジを外します。

C: こんな感じで分割できます。
D: 絞りを動かしてスムーズに動くか、油滲みや汚れがないか確認しておきます。

 

⑱ハメゴロシレンズの取り出し

A: 残念ながらここも内部にカビが発生していました。
自分はまず固定部をドライヤーで温めながらデザインナイフで固定枠をちょっと広げていきますが、この時にレンズ側に刃を立てない様に動かします。
B: そしてプラ製のヘラやスクレーパーで隙間を広げます。

C: そして再びドライヤーで固定枠を温めたら、衝動材を入れた吸盤オープナーに入れ、吸盤オープナーごと叩いてレンズを外しています。
この方法のメリットは固定枠を半田ごてで溶かしてまた固定できる事にありますが、上手くいかない時は削るしかありません💦

☆後は逆の手順で組み立てていきます。

 

⑲基盤の組み立て方法

A: 基盤にまずL字になっているフレキシブルケーブルを入れます。
B: AF切換スイッチは「AF」にし、基盤の小さなスイッチは右側にセットして基盤を組み付けます。

C: 基盤をネジで固定したら残りのフレキシブルケーブルを組み込めばOKです。

☆お疲れ様でした💦

 

⑳「EF28-105mm F3.5-4.5 USM」の作例

使用カメラはAPS-Cの「キャノンEOS KISSx4」になります。
28mm  f8.0

㉑奥は蓬莱橋

105mm  f8.0
世界一長い木造歩道橋なんだそうです。

 

㉒アンダーパス

28mm  f8.0

 

㉓静岡市内

70mm  f8.0

 

㉔ベートーヴェン

83mm  f8.0

 

㉕信号待ち

105mm  f4.5開放

 

㉖逆光の信号待ち

68mm  f9.0

 

㉗ヤマダ電気

48mm  f9.0

 

㉘ドフ

28mm  f9.0

手振れ補正は付いていませんが、コンパクトで軽く、扱い易いズーム域だと思いました。
AFはリングUSMで30年以上前のレンズとは思えないくらい速いです。
写りもシャープで通常使いならこれで充分ですが、逆光耐性についてはコーティングが痛んでいるのでコメントは控えようと思います💦

 

◎レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、レンズの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしレンズを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)

コメントはできればこちらの「ヨッシーハイムannex」ヘお願いします。

 

以上、【キャノン「EF28-105mm F3.5-4.5 USM」分解清掃・作例】でした!

コメント

タイトルとURLをコピーしました