◎以前からフレキ断線によるエラーやAF不良でジャンクとして良く見かけた「Canon EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」なんですが、最近はジャンクの価格もかなり安くなってきたので、リサイクルショップのジャンクコーナーにあった物をちょっと買ってきてみました。
今回のレンズは絞れるものの(絞れる時は絞りのフレキ断線していません)、AFが迷いまくって合焦しない(距離計のフレキが切れた時も同様の症状が出ますが、エンコーダーと違って全く合焦しません)と言うものです。
EFレンズのリングUSM仕様には光学式ロータリーエンコーダと言うものがあるのですが、鏡筒に塗られているグリスから経年と共に分離した基油がロータリーエンコーダの透明プラ製スリットリングに滲んでしまう様で、滲んだ油でセンサーの光が拡散して回転信号が読み取れなくなり、AF制御ができなくななってしまう様です。
今回はそんなAF不良を修理し、切れ易い絞りのフレキシブルケーブル断線対策も行ってみました。
2004年9月発売 当時の価格は¥87.000 レンズ構成: 12群17枚
絞り羽根枚数: 6枚(円形絞り) 最小絞り: F22-32 最短撮影距離: 0.35m
最大撮影倍率: 0.20倍 フィルター径: 67mm 外寸: 78.5x92mm
重さ: 475g レンズフード: EW-73B 手振れ補正: 約3段分
ガラスモールド非球面レンズを採用 リングUSMモーター
フルタイムマニュアルフォーカス機構
参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。
①マウントの分解
A: まず電子接点の小さなネジ2個を外します。
B: マウントを固定しているネジ4個を外しますが、いきなりマウントを外すとフレキシブルケーブルが断線しますので注意して下さい。
C: フレキシブルケーブルを傷めない様に少しだけマウントを持ち上げたら、後ろから遮光パーツを押して遮光パーツを外します。
D: 遮光パーツを外したら、電子接点をフリーにしてマウントを外します。
組み立てる時はマウント→電子接点→遮光パーツの順で組み立てます。
②後端カバーの取り外し
A: いきなり後端カバーを外すとここのフレキシブルケーブルを千切りますので注意して下さい。
B: ピンセットなどでフレキシブルケーブルの端子を引いて外します。
C: 後端カバーを外します。
D: 5本あるフレキシブルケーブルを外しますが、それぞれ外し方がありますので画像を参考にして下さい。
③基盤と中間パーツの取り外し
A: フォーカスリングは特に位置決めも無く入れてあるだけなのでそのまま外します。
ついでに基盤を固定しているネジ1個も外します。
B: フレキシブルケーブルを傷めない様にしながら基盤を外します。
C: 中間パーツを固定しているネジ5個を外します。
D: フレキシブルケーブルを傷めない様にしながら中間パーツを外します。
④USMモーターのメンテナンス(スルーしてもOKです)
A: モーターを固定しているリングの接着剤が塗ってある箇所を押して接着剤を剥がしておきます。
B: リングを回し、切り欠きのある部分まで回して各パーツを外しますが、ケーブルの付いている駆動部は必ず取付位置マーキングをしてから外して下さい。
C: 外したモーターは汚れをエタノールでキレイにし、擦れる部分にちょっだけシリコンスプレーを吹いておきます。
(ロータリーエンコーダをメンテする場合はモーターを組み立てないで下さい: 以降の画像はモーターが付いている画像もありますが間違いです💦)
D: ズームリングゴムを外します。
⑤鏡筒の分割
A: 黒いテープを剥がして接点の位置マーキングをしたら、接点を取り外します。
そしてちょっとだけ曲げ直しておくと、接点の接触が改善されます。
B: まずネジ&コロの基部とズームリングに組み付け位置用のマーキングをします。
ズームリングにあるネジ&コロを3セット取り外します。
C: そしてマウント側にある3個のネジを取り外します。
(組み立てはズーム部を含め、ケーブル位置を参照にすると楽です)
D: 鏡筒を分割しながら、フォーカス連動部の繋がりを確認し、次の画像⑥のAのズームリング連動部の繋がりも確認しておきます。
⑥AFロータリーエンコーダの分解a
A: ズーム機構とズームリングの連動部の繋がりも確認しながら鏡筒を分割し、伸び縮みする遮光パーツ筒が外れる爪が入る位置も合いマーキングしておきます。
ここは組む時にちょっと難儀するかもしれませんので、自信が無い時は分割しながら写真を撮ると良いです。
B: こんな感じで分割します。
C: フォーカス連動部を外します。
D: 電子接点の位置マーキングをしたら、ネジを外して電子接点をフリーにしておきます。
⑦AFロータリーエンコーダの分解b
A: 距離計リングを外し、電子接点を回収したら、下のリングも外します。
外した電子接点はちょっと折り曲げ直しておくと良いです。
B: フレキシブルケーブルを傷めない様に剥がしておきます。
C: 手振れ補正のセンサー基盤を外します。
D: エンコーダー部を分解します。
⑧ロータリーエンコーダのメンテナンス
A: センサーのこのパーツを外し、透明プラ製のスリットリング(実際は光学的な凹凸になってます)を外します。
B: やはりリングとセンサーは劣化グリスから分離した基油が滲んでいました。
リングはエタノールでしっかり油分を拭き取り、センサー部は「エタノールを染み込ませてブロア」を何度も繰り返し、油滲みが無くなるまで続けます。
そして逆の手順でロータリーエンコーダ部を組み立てます。
C: リングを組む時はここの長い凸が開口部になります。
D: 爪が溝にしっかり入っているか確認します。
⑨フレキシブルケーブル断線対策
A: ついでに接点をエタノールで綺麗にしたら、タミヤの接点グリスを薄く塗布しておくと後のトラブルを防げます。
B: 各ネジ&コロを外したら(ここでコロの入る部分に後群ユニットとズーム筒の位置関係をマーキングしておきます: ⅠやⅡ)、後端のフレキシブルケーブルを固定しているネジも外しておきます。
そしてケーブルの位置をマーキングをして手振れ補正の付いている後群ユニットを外します。
C: 絞りユニットも同じ要領で外します。
D: ここでフレキシブルケーブルが断線していないかテスターでチェックしましたが、断線箇所はありませんでした。
⑩絞りのフレキシブルケーブル断線対策A
A: とにかくここのクリアランスが狭くてかなりケーブルに折り曲げ負担が掛かっている様で、これではズーミングを繰り返すと亀裂が入って断線してしまうのだと思いました。
B: とりあえず少しでもクリアランスが欲しいので、固定金具をピッタリ鏡筒にくっつける様に削りました。
C: 見た感じ1mmくらいは隙間が増えた感じです。
D: 更に決定的な問題を発見しました。
それはズームを伸ばすとクリアランスは広いのですが、ズームを縮めるとこのステーがフレキシブルケーブルの折り曲げ部分を潰す動きをするんです💦
これだとズームをする度にフレキシブルケーブルを痛めている様なものです。
⑪断線対策B
A: 要はここのクリアランスをゼロにすればフレキシブルケーブルの曲がりに余裕ができ、またズーミングで潰す動きを止める事ができます。
ここは引っ掛かる障害物も無いので、このステーを曲げればゼロにする事が可能だと分かりました。
B: 理想はこんな感じ。
C: ここのステーをこれくらい曲げますが、注意点として後群レンズユニットを組む時にこのステーを押さえながら組む必要があります。
D: 組み立てるとフレキシブルケーブルにとって理想的な空間が生まれ、またズーミングしてもフレキシブルケーブルの折り目を潰す動きも無くなりました。
またフレキシブルケーブルは乾燥すると割れ易くなるので、シリコンを薄く塗布しておきました。
後は逆の手順で組み立てれば完成です。
⑫「Canon EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」作例
使用カメラはAPS-CのCanon EOS KISSx4になります。
⑬ビニールハウス
⑭雑草
⑮事件現場
26mm 外国人同士で喧嘩して殴ったら意識が戻らなくなってここの病院に放置したらしいのですが、亡くなっていて逮捕されたらしいです。
⑯踊る車
53mm 最近は維持費の高騰で見かける事が減った気がします。
⑰渋滞
85mm ちょっと前に渋滞で追突されたのですが、凄い衝撃ですね(汗)
その時の時間を返して欲しいです。
⑱変電所
78mm 夏になると負担が増えるせいか、いつもと違う唸り音が聞こえました。
⑲最近オープンしたドフ
17mm レンズやカメラは特にいい物がありませんでしたが、オンキョーのカセットデッキ(もちろんジャンク)を買いました。
⑳ドラ〇もん
85mm 最近タイヤも外国製が増えましたよね~
雨が降ってきました。
㉑西へ
㉒天気が急変
85mm 最近は天気が急変して土砂降りになる事が多いです。
涼しくて良いのですが、気分的にはやっぱり晴れの方がいいですね^^;
☆使い易い画角と割と効く手振れ補正&シャープで寄れるとてもいいレンズなんですが、泣き所はやはり故障の多さですよね^^;
修理してから2週間ほど使用していますが、今の所問題は発生していません。
また問題があったらここに報告しようと思っています。
◎レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、レンズの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしレンズを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)
コメントはできればこちらの「ヨッシーハイムannex」ヘお願いします。
以上、【「Canon EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」AF不良修理・フレキ断線対策】でした。





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