キャノンズームレンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」分解清掃・作例

キャノン

◎とあるリサイクルショップのジャンクコーナーに比較的新し目のキャノンズームレンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」のカビジャンクが置いてありました。
価格を見ると¥550…
いつの間にかレジに並んでいました(笑)

このレンズのルーツを辿ると1988年に直進ズームの「EF35-135mm F3.5-4.5」、1990年のUSM搭載「EF35-135mm F4-5.6 USM」、1998年のIS付き「EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM」、2009年にこの「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」、2012年にSTMモーターに変更された「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」と進歩し、2016年にナノUSM搭載「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」で幕を閉じました。

2009年10月発売 当時の価格は65.000円 レンズ構成: 12群16枚 重さ: 455g
絞り羽根枚数: 6枚(円形絞り) 最小絞り: F22~36 最短撮影距離: 0.45m(135mm)
最大撮影倍率: 0.21倍(135mm) フィルター径: 67mm 外寸: 75.4x101mm
手振れ補正: 4段(シャッタースピード換算)

参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。

 

①それでは1群レンズから清掃していきます


A: まずシールになっている銘板をドライヤーで温めておきます。
B: 穴からマイナスの精密ドライバーなどでゆっくり慎重に剥がしていきます。

C: 1群レンズユニットの回転方向の位置マーキングをしたら、固定しているネジとロックワッシャー(取り付け向きがあります)を3組外し、1群レンズユニットを反時計回りに回して外します。
D: レンズを清掃しますが、内部にカビがある場合は固定枠を削ってレンズを取り出す必要があります💦

②マウント分解

A: ズームを伸ばしたら、遮光パーツに指を入れて嵌めてあるだけの遮光パーツを取り外します。
B: 電子接点を固定しているネジ2個を取り外します。

C: マウントを固定している4個のネジを外します。
D: マウントの取り付け位置を確認しながらマウントを外します。

③フレキシブルケーブルの取り外し

A: フレキシブルケーブルは6個のカプラーに入っていますが、全てのカプラーにロックは付いていませんのでそのまま引き抜けばOKです。
フレキシブルケーブルを断線させるとレンズはゴミになりますので、かなり慎重に作業して下さい💦
B: フレキシブルケーブルを傷つけないように慎重に引き抜いていきますが、できればピンセットには保護テープを巻いておくと良いです。
組む時は接点復活剤を塗布して組むとスムーズに入りますし、接触不良のトラブルも回避できるのでお勧めです。

C: スイッチ部はそのまま外せますが、取り付け位置は確認しておいて下さい。
D: ズームリングゴムを外し、見えたネジ1個を外します。

④基盤とAFモーターユニットの取り外し

A: フレキシブルケーブルに気をつけながらズームリングを外します。
B: 電子基板を固定しているネジ1個を外します。

C: フレキシブルケーブルに気をつけながら電子基板を外します。
D: AFモーターユニットを固定しているネジ2個を外し、ユニットを上方向に取り外します。

⑤鏡筒の分割

A: ズームリング連動パーツを固定しているネジ2個を外します。
B: 電子接点を曲げない様に連動パーツを取り外します。

C: フレキシブルケーブル固定板のネジ2個とズームユニットを固定しているネジ6個を取り外します。
D: フレキシブルケーブルに気をつけながらズームユニットを引き抜きます。

⑥ズーム部の分解

A: 引き抜いたらAFの駆動レバーが入る位置を確認しておきます。
B: 2群レンズユニットは入れてあるだけなので回転させて取り外しますが、コツがありますので次の画像を参照して下さい。
因みに取り付けはどの位置でもOKです。

C: 回転させて当たった所で押しながら更に回転させて引く感じです。
慣れないとちょっと難しいかもしれません💦
D: ここのコロ&ネジを6組外しますが、ここは調整されて無く、部品も全て共通となっていないので、そのまま外せばOKです。

⑦3群&4群ユニットの分解清掃

A: 取付位置を確認しながら(フレキシブルケーブルの入る位置で分かると思います)ユニットを外します。
B: 固定ネジには緩み止め&ガタ防止のグルーが塗布してありますが、そのままネジ3個を外します。 (グルーは剥がしてまた組み立て後に塗布しておきます: グルーガンは100均の物で十分です)
ユニットを分割しますが、ここにはスペーサー(取り付け向き有り)が入っているので回収しておきます。

C: もし4群レンズ内にカビがある場合はここの各位置の調整箇所をしっかりマーキング&写真&測定してから分解して下さい。
D: 各レンズを清掃します。

後は逆の手順で組み立てます。

⑧ISユニットと組み立ての注意点

A: 手振れ補正(IS)ユニットの内部にカビがあった場合はここを緩めれば分解できると思いますが、おそらくボールが入っている可能性があるので気をつけてください。
B: コロには一応向きがあり、角が丸い方が入れる側になっています。

C: ズームユニットを入れる時はAF駆動レバーが画像の位置に入りますので、窓を覗きながら凹にレバーを入れます。
D: スイッチ部を取り付ける時は必ずスイッチをAFにし、右のクラッチがスイッチの金具の内側に入る様に組み立てます。

 

⑨「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」の作例

135mm   f5.6開放
使用カメラは「Canon EOS KISSx4」になります。

⑩公園

64mm f16

⑪街並

135mm f7.1

⑫オブジェ

32mm f4.5  日の丸構図です(笑)

⑬静岡プラモデル化計画

21mm   f4

⑭更地

18mm  f7.1

 

⑮ギターおじさん

72mm f7.1 自分と同じギターに惹かれました。

 

⑯日が傾いてきました

18mm   f9

 

⑰銅像

87mm f5.6

 

⑱噴水

135mm f6.3

 

⑲富士山の壁画

26mm   f8

 

⑳そろそろ街を出ます

33mm   f8

 

㉑古アパート

18mm  f8

 

㉒清水港の富士山

62mm   f8  最近の暖かさでまた雪が溶けちゃいましたね。

 

㉓ちびまる子ちゃんランド

29mm   f8

 

㉔清水港

45mm   f8
7.5倍のズーム比の標準ズームレンズとして、街中のスナップでは使い勝手も良く画質も良いですね^^
ただ望遠端が135mmだと物足りないシーンがあったのも事実です。
手振れ補正も良く効くので、夕暮れの手持ち撮影でもブレる写真はほとんどありませんでした。

 

◎レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、レンズの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしレンズを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)

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以上、【キャノンズームレンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」分解清掃・作例】でした!

 

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