◎とあるリサイクルショップでレンズと絞り羽根が油まみれの引き伸ばしレンズ「Nikon EL-Nikkor 50mm F4」があったので、買って来て分解清掃し、作例を撮った内容になっています。
引き伸ばしレンズと言うと、トリプレットやテッサー、ダブルガウス、オルソメター、エルマー構成などがあります。
別途ヘリコイドアダプターや変換リング、スペーサーなどが必要ですが、いろんなレンズ構成を安く楽しめて、画質もシャープな物が多いのが特徴です。
1967年9月発売~1982年製造終了 当時の価格は¥5.800~7.900
レンズ構成:3群4枚(テッサータイプ) 最小絞り:F16 基準倍率:8X
色収差補正波長域:380~700nm 口径食:0% 歪曲収差:-0.17%
フィルター径:34.5mm 外寸: 28×44.5mm 重さ: 57.5g
F2.8と比べると約¥5.000くらい安かったみたいで、確かF2.8だとダブルガウスだったと思います。
参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。
①レンズの清掃
A: 前玉はこのロックリングを回せば外れるかと思いきや、ネジ止め剤が塗ってあって緩みません💦
B: まず絞りリングにあるこのピンネジを外します。
C: 一度締め込んで、半回転で止まる事を確認します。
組み立て時はいっぱいまで締め込んで半回転戻せばOKです。
D: 絞りリングを緩めながら、ピンネジが入る位置を確認しておきます。
②前群レンズユニットの取り外し
A: 絞りリングを外します。
B: 次に前群レンズユニットを反時計回りに回して外します。
C: 見て頂けると分かると思いますが、ネジ止め剤が穴から注入されている事が分かります。
ここにスポイトでアセトンを注入したら3分ほど待ち、ネジ止め剤を柔らかくしてから前玉のロックリングを緩めます。
D: 2枚目のロックリングも同様に作業をします。
③前群レンズ清掃と後群レンズ外し
A: 各ロックリングを外し、各レンズを外して清掃します。
B: バックリングを反時計回りに回して外します。
C: こんな感じで外れます。
D: ここも穴からアセトンを染み込ませ、3分待ってからロックリングを緩めます。
④レンズ清掃のみならここまでです
A: 外した後群レンズのバルサム切れをチェックしたら、清掃して組み立てます。
B: レンズ清掃のみでしたら後は組み立てて完成です。
⑤絞り羽根の分解清掃
A: 絞り羽根に油滲みがあると、絞り羽根同士の抵抗が増して絞り羽根の破損の原因になるので分解清掃します。
面倒だと思う場合はこのまま洗浄油に漬けてブロアすると言う方法もありますが、今回は分解清掃していきます💦
B: クリックバネの取付向きを確認しておきます。
C: 絞り可動部の位置を開放F4にセットします。
D: ここで開放時の絞りの開き具合を確認&測定しておくと安心です。
⑥絞り部の分解
A: 絞りユニットを固定しているロックリングにはネジ止め剤が塗布してありますので、アセトンで柔らかくしておきます。
B: 3分待ったらロックリングを取り外します。
(これ以上分解したくない場合はいきなり画像⑦のCに飛んでもOKですが、おそらく油が染み込みまわっているので分解した方が確実です)
C: クリックバネを取り外します。
D: 絞りユニットを調整固定しているイモネジにもネジ止め剤が塗布してある事がありますので、一応アセトンを染み込ませて3分待ってから緩めます。
⑦絞りユニットの取り外し
A: 基本的な取付位置は絞り連動部のスリットに合わせればOKで、細かい調整はイモネジの打痕を基準とします。
確認したら絞りユニットを取り外します。
B: 組み立て時はイモネジの打痕をネジ穴のセンターにセットして組み立てればOKです。
C: 絞り可動側を固定しているCリングを外します。
D: こんな感じでCリングが外れます。
⑧絞り羽根の清掃
A: 可動側を外す前に絞り羽根の取付方向と表裏を確認しておきます。
(いきなりバラバラになる事が多いものですから💦)
B: 外す時はできれば開放状態がいいです。
C: 可動側を外したら、絞り羽根の向きと表裏を確認します。
D: 絞り羽根を取り出してエタノールなどでしっかり脱脂します。
⑨絞り羽根の清掃と組み立ての注意点など
A: 清掃が完了したら組み立てます。
B: 絞りユニットを鏡筒に組み付ける時、横にあるイモネジを締め過ぎると絞りリングの動きが重くなりますので注意が必要です。
まず絞りユニットを鏡筒に押しつけながら軽くイモネジ締め付け、次にロックリングでしっかり固定します。
そして絞りリングが重くならない程度にイモネジを増し締めすれば完成です。
C: 絞りリングに普通のヘリコイドグリスを付けると軽すぎる事があるので、今回はタミヤのダンパーグリス(ハード)をちょっと加えてみました。
個人的には好みの重さになりましたが、これかは各個人で判断して下さい。
D: クリック部分は割とかじりが発生し易いので、できればモリブデングリスがいいと思います。
後は逆の手順で組み立てれば完成です^^
⑩「Nikon EL-Nikkor 50mm F4」の作例
本当はソニーα7で撮るつもりだったのですが、マウントアダプターが行方不明で断念しました💦
でも見た目のバランスはとても良いです。
⑪花
⑫ブランコ
⑬公園の木々
⑭交差点
⑮古屋
⑯空き缶
⑰黄昏時
⑱カセットデッキ
⑲On the Rocks
開放F4
当時はニコンで1万円を切る一番安い引き伸ばしレンズでしたが、なかなか良い写りだと思いました。
ただ50mmF2.8と比べると開放のコントラストが若干低く、開放の解像度もやっぱりF2.8の方が上ですね^^;
◎レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、レンズの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしレンズを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)
コメントはできればこちらの「ヨッシーハイムannex」ヘお願いします。
以上、【引き伸ばしレンズ「Nikon EL-Nikkor 50mm F4」分解清掃・作例】でした。










コメント