◎とあるリサイクルショップに山と積まれたトイカメラが¥900で売っていたのですが、トイカメラには全く興味が無かったのでカメラの型番だけ記憶して一旦スルーしたんです。
しかし帰って調べてみるとただのトイカメラではなく、183°の魚眼レンズを搭載したトイカメラと知り、急いで閉店間際に買ってきました(笑)
…でも帰って写真を撮ってみると悲しい事に画像が片ボケしているではありませんか。
調べてみるとどうやらこのカメラは片ボケしている不良品が多いらしく、返品された不良在庫がそのままリサイクルショップに流れてきた感じでした(汗)
気になってレンズを外してみると片ボケする理由が分かりました。
それはレンズのピント調整の固定にあの水道管の接続に使う「シールテープ」が使われていたんです。
このシールテープの材質はシリコンの為にねじ込むと変形し易く、レンズの水平度は保ちにくくなるんですよね、これが…
それだけでなく、このシールテープの圧迫によりレンズの鏡筒が変形している可能性も高いです(汗)
ここはコストをかけてスペーサーとリングタイプのシムで調整すべきだったと思います^^;
それか距離目盛とヘリコイドストッパーを付けて焦点調整ができるようにし、レンズをコイルスプリングで押さえるとかすれば接写もできて良かったかも^^;
自分はレンズ首元にちょっとテープを残してあとは剥がしましたが、問題の片ボケはかなり改善されました。
①Entaniya(インタニヤ) Entapano C-01のスペック
販売開始日: 2014/04/27 希望小売価格:¥4,980
☆カメラ仕様
・本体サイズ:高さ55mm×幅100mm×奥行き45mm(レンズキャップ装着時)
・保存画像ファイル形式:jpg ・解像度:9M ピクセル
・記録画素数:3334×2224(円周外含む) ・充電:USB充電
・撮影モード:デイモード/ナイトモード 自動切替え ・露光:自動調整
・記録媒体:マイクロSD カード(最大32GB)別売
・使用可能温度:10℃~40℃
☆円周魚眼レンズ仕様 (被せ式のレンズキャップ付属)
・焦点距離: 1.4mm
・開放絞り:F2.2 (画像のExif情報だと何故かF3ですが…)
・撮影距離:50cm~∞
・画角:183°
☆目の前の景色全てを1枚の写真の中に
どんなに広い場所でも、どんなに高い建物でも目の前の景色全てを1枚の写真の中に収められます。
☆視野角183°の円周魚眼レンズ
等距離射影方式のインタニヤ製オリジナル魚眼レンズ。まあるい写真が写せる円周魚眼レンズです。
☆9メガピクセルCMOSセンサー
トイデジでは珍しい大きなCMOSセンサーを内蔵。
☆パノラマVRに変換
円周魚眼写真からGoogleストリートビューのようなパノラマVRを作成できるのをご存知ですか?円周魚眼レンズで撮影した写真なら下記のソフトウェアやサービスを利用することで360°パノラマVRが作成できます。
詳しい作成方法などについては各ソフトウェアのページでご確認ください。
(現在は終了しています)
参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。
②Entaniya(インタニヤ) Entapano C-01の外観など
A: 当時の付属品は取扱説明書、本体ストラップ、レンズキャップストラップ、ソフトクロス、USB接続ケーブルだったみたいですが、これは画像の物が全てでした。
内臓時計のセットがメモリーカードから行うみたいで、ネット上で調べてもやり方は分かりませんでした^^;
B: 魚眼レンズなので、使わない時は必ずレンズキャップをしないとレンズに傷が付きそうで怖いです。
何気に気泡式の水準器が付いているのがワンポイントですね^^
C: ¥4.980のトイデジカメなので液晶モニターは付いていません^^;
ジャンクのLomography「Fisheye2」のファインダーを付けると良いかもしれません。(玄関ドアの覗き穴「ドアスコープ」を付けてる方もいました)
D: メディアはマイクロSDで、32GBまでです。
③Entapano C-01外観の続き
A: ちゃんと鉄製の「三脚用ねじ穴」まで付いていました。
でも画角が183°もあるので、三脚の脚が写らない様に注意する必要があります。
特にカメラを持っている指が写り易いので、かなり意識してカメラを持つ必要がありました^^;
B: 古いカメラと大きさ比較
オリンパスのハーフカメラよりちょっと小さい感じです。
あと、新品を買うと半年の保証が付いていたみたいですが、何故かシャッターボタンは除外されていたそうですね(汗)
④インジケーターの動作など
A: USBケーブルで充電中の表示
充電が終わると赤いランプが消え、カメラ使用中にバッテリー残量が無い時は赤いランプが光って知らせてくれます。
B: カメラの電源を入れて晴れマーク(デイモード)か屋内マーク(ナイトモード)が光れば撮影が開始できます。
どちらも光らない時は光量不足でシャッターは切れません。
電源のOFFは電源ボタン長押しになりますが、これが結構長く押してないと切れなかったりします^^;
C: こちらは屋内マークが光った時で、シャッター速度は最遅で1/2になりますので手ブレに注意する必要があります。
D: メモリーカードへの書き込み中ランプ
このカメラに関し、このランプが消えるまで絶対にカメラを動かしてはいけません^^; (シャッター音だけで撮影終了だと判断するとブレブレ写真になります)
因みにこのカメラはセルフタイマーモードがあり、シャッターボタン長押しでこの緑ランプが点滅して3~4秒後にシャッターが切れます。
⑤レンズの取り外し
A: レンズを取り外す前にレンズ銘板の位置マーキングと、レンズ突き出し量を測定しておきます。
B: このカメラに関し、個体差もあると思いますが、おおよそ10.6mmでした。
C: かなり固いので、ドライヤーでちょっと温めてから緩めます。
D: まさかの水道管の接続に使う「シールテープ」でレンズが固定してありました。
このシールテープはかなり変形しますし、何よりレンズ鏡筒側面をかなり圧迫する為、レンズ鏡筒に歪が発生して片ボケが発生すると思われます^^;
レンズの固定はとても大切なので、ここはコストをかけてスペーサーとリングタイプのシムで調整すべきだったと思います^^;
それか距離目盛とヘリコイドストッパーを付けて焦点調整ができるようにし、レンズの頭をコイルスプリングで押さえるとかすれば接写もできて良かったかもしれませんね…
説明書にはここを回して「片ボケの調整」をすると書いてあったようですが、無限位置の調整はできても片ボケは調整できないと思いました。
⑥後玉周辺のシールテープを撤去
A: 後玉周辺が圧迫されないように周辺のシールテープを取り除きました。
B: こんな感じで今回はシールテープを取り除きましたが、とりあえず片ボケは無くなりました。
C: 一応、センサー部分のゴミを取り除いておきます。
金属製のピンセットを使う時は充電池がありますので、絶対に電子基盤に触れないで下さい。
D: 9メガピクセルのCMOSセンサー
⑦マクロ距離の測定
A: このレンズを検索したら、ア〇ババに「AICO 1.4mm f2.2」という全く同じレンズが載っていました^^;
バックフォーカスは3.69mmで、ディストーションは97%だそうです。
B: 金色に反射する後玉のコーティング。
C: 工作用の方眼シートでレンズの回転角と撮影距離を目測で測ってみました。
D: 目測でおおよそこんな感じでデータを得る事ができました。
それを図にしたのが下の画像になります。
⑧レンズの回転角と撮影距離(目測)
あくまで目測であり、個体差もあると思いますので、参考程度にして頂けると嬉しいです。
これで被写体にダイナミックに寄る事ができます^^
⑨Entapano C-01の作例
f3 1/4000 ISO100
このカメラって画像が中心から右寄りに写るのはディフォルトらしいです^^;
レンズとセンサーが逆光に弱いので、ハイライトとシャドウを調整しています。
(一部レンズ調整前の画像が入っています)
あと次の画像からは丸くトリミングをしました。
⑩景色を普通に撮るのはちょっとつまらない…
f3 1/4000 ISO100
魚眼レンズは被写体に囲まれた空間や、被写体の一部を強調する撮り方が面白いと感じます^^;
⑪回転寿司にて
f3 1/30 ISO100
これでもかなり寄っているのですが、もっと寄らないと迫力は出ないですね^^;
⑫ヘビイチゴかな?
f3 1/4000 ISO100
これもかなり寄ったのですが… 魚眼レンズは思い切りも必要ですね^^;
⑬主題の分からない写真
f3 1/125 ISO100
モニターが無いので、どうしていいか迷う事も多いです。
⑭公園の花壇
f3 1/125 ISO100
もっとローアングルで突っ込みたかったです。
⑮公園の全景(縦)
f3 1/1000 ISO100
⑯公園の階段の手摺
f3 1/500 ISO100
⑰川辺の花
f3 1/4000 ISO100
⑱ハルジオン
f3 1/4000 ISO100
これでもかっ!って寄ったらいい感じになりました(笑)
⑲フィギュア撮影
f3 1/4000 ISO100
とにかく思い切って寄るのが成功の秘訣です^^;
⑳橋
f3 1/4000 ISO100
㉑グローブジャングル
f3 1/4000 ISO100
公園の遊具の名前って割と知らないものですよね。
その昔、高回転でグルグルできるか競ったものです(危)
㉒滑り台
f3 1/4000 ISO100
魚眼レンズは面白いですね~~
空間や強調を意識しながら撮ると想像力が養われました^^
◎カメラの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、カメラの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしカメラを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)
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以上、【魚眼レンズのトイデジカメラ「Entapano C-01(インタパノC-01)」の片ボケ修理とマクロ距離】でした!
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