ペンタックス「Takumar 200mm F5.6」分解清掃・作例

ペンタックス

◎今回は1958~1962年に製造されたアサヒペンタックスの「Takumar 200mm F5.6」を分解清掃して作例を撮った内容になっています。

「Takumar 200mm F5.6」の初期型は絞り羽根が8枚で、指標にR文字が無く、Ⅱ、Ⅲ型は絞り羽根が10枚になってR文字が書かれています。
そして1962年に銘板の表記が「Tele-Takumar 200mm F5.6」に変わったらしいのですが、この内容は間違っているかもしれません💦

1958~1962年に製造 当時の価格は17.000円? レンズ構成: 5群5枚
開放値: F5.6  絞り: プリセット絞り  画角: 12°  最小絞り: F22
最短撮影距離: 2.5m  絞り羽根枚数: 10枚  重さ: 370g   外寸: 55x113mm

参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。

 

①鏡筒の分離

A: マウントの遮光パーツを反時計回りに回して外します。
B: こんな感じで外れます。

C: レンズ部とヘリコイド部を固定しているロックリングを外します。
D: フォーカスは無限遠にして一番縮んだ状態で緩めます。

②後群レンズの清掃

A: こんな感じで分離できます。
B: 後玉を固定しているロックリングを外し、後玉の向きをマーキングしながら外します。

C: 次に見えるロックリングも外し、後ろから2番目のレンズの向きをマーキングしながら外します。
D: 外したレンズを清掃します。

③前玉の清掃

A: 銘板を反時計回りに回して外します。
B: 前玉を固定しているロックリングを外し、前玉を回収します。

C: 外した前玉を清掃します。
D: 絞りリングを外します。

④プリセットリングの分解

A: 絞り連動ネジを二カ所外します。
B: 大きさが違うので、取り付け時は注意して下さい。

C: 外す時はここの溝を合わせてから、回して外します。
取り付け時も同様です。
D: 外れました。

⑤2番目レンズの取り外し

A: プリセットリングを外す時はボールが3個飛び出す可能性がありますので、できれば袋の中で作業して下さい。
B: こんな感じで絞りリング関連が外れます。

C: ここはネジ止め剤が塗布されていますので、事前にアセトンを染み込ませて3分程待ちます。
D: 2番目レンズが外れました。

⑥3番目レンズ取り出し

A: ロックリングを外し、2番目レンズを清掃します。
B: ここもネジ止め剤が塗布されていますので、事前にアセトンを染み込ませて3分程待ちます。

C: 反時計回りに回して外します。
D: 更にここもネジ止め剤が塗布されていますので、事前にアセトンを染み込ませて3分程待ちます。

⑦絞り羽根の清掃

A: ロックリングを外し、3番目レンズを清掃します。
B: 絞り固定側の位置マーキングをしたら、サイドにあるイモネジを緩めます。

C: 絞りを分解し、絞り羽根と擦れる部分の油分を清掃します。
D: 羽根には向きがありますので、組む時は注意して下さい。

⑧ヘリコイド分解

A: 可動側を絞り開放の位置にしたら絞り羽根を組み立て、固定側をマーキングに従って組み込みます。
B: プリセットリングを付ける時は、ボールをグリスで固定して組むといいです。

C: ヘリコイドグリス交換の為にフォーカスリングの取付位置を確認し、無限遠にセットしたら取付ネジを外します。
D: フォーカスリングを取り外します。

⑨ヘリコイドの測定・分解

A: 無限遠位置でのメインヘリコイドの突出量を測定します。
このレンズは19.2mmでしたが、個体差があるので参考程度にして下さい💦
B: サブヘリコイドも同様に測定します。(8.1mm)

C: フォーカスリングが付いている場所をゆっくり回し、画像Dの直進キーが抜ける瞬間の位置で止めます。
各位置マーキングをしたら、ここでも各幅を測定しておきます。

⑩ヘリコイドグリス交換

A: そして金色のサブヘリコイドをゆっくり慎重に回し、外れる瞬間の位置をマーキングしておきます。
B: ピンネジを外します。

C: そしてメインヘリコイドをゆっくり慎重に回し、外れる瞬間の位置をマーキングしておきます。
古いヘリコイドグリスを洗浄油とブラシで綺麗にしたら、新しいヘリコイドグリスを固めの筆で薄く塗布します。

D: 組み立てはまずメインヘリコイドを外れた瞬間の位置からサブヘリコイドに入れ、画像⑨のCで測定した位置まで入れます。
次にサブヘリコイドを鏡筒の外れた瞬間の位置から入れ、測定位置まで入れたらメインヘリコイドの直進キーを溝に入れる感じでフォーカスリング部を回し、無限遠の測定値で止めて完成です。

後は逆の手順で組み立てれば完成です^^
お疲れ様でした。

⑪「Takumar 200mm F5.6」作例

使用カメラはフルサイズミラーレスのα7で、絞り値は分かる範囲で記載しています。

⑫玉ボケ

開放F5.6  口径が小さいので割とでます。

⑬花

開放F5.6

⑭景色

手前に防鳥ネットがあります💦

⑮ポール

開放F5.6
これで大型バイクが転んでいるのを見た事がありますし、目の前に急に現れるとやっぱり怖いですよね💦

⑯テールランプ

開放F5.6 新型フリードを見て、これからはツリ目デザインや装飾ゴテゴテのデザインが流行らなくなるのかもしれないなぁ~、と思いました。

⑰ハーレー

今でも乗ってみたいバイクの一つです。

⑱家康くん

開放F5.6

⑲会社の車

儲かっているんでしょうね~。

⑳煙突

開放F5.6

 

㉑中央分離帯に咲く花

開放F5.6    こんな劣悪な環境でも育つ逞しさ。

㉒都電

実はピンが合っていませんが、記念に載せておきます💦

㉓夕暮れのバイパス

最近は1日どころか1年が早く感じます(笑)
ようやく涼しくなってきましたよね。

実はこのレンズ、人生で初めて分解清掃をした思い出のレンズなんですよね^^;
あの時はキャノンKISSx3で使いましたが、廉価版ズームばかり使っていた自分にとっては良く写るのでビックリした思い出があります。

でも引っ越しの時に売ってしまったので、久しぶりにまたこのレンズのジャンクに出会った時はすぐにレジへ運んでしまいました(笑)

 

 

◎レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、レンズの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしレンズを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)

コメントはできればこちらの「ヨッシーハイムannex」ヘお願いします。

 

以上、【ペンタックス「Takumar 200mm F5.6」分解清掃・作例】でした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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