ニコン「AiAF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S」分解・清掃・作例

Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S ニコン

◎今回はとあるリサイクルショップのジャンクボックスに転がっていたニコンのAF標準ズームレンズ「AiAF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S」を分解・清掃し、作例を載せてみました。
あと多忙の為、今回はレンズの清掃のみとなっています^^;

このニコンの35-105mmシリーズは1983年にFM2などの標準ズームとしてマニュアルフォーカスの「Ai Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S」がまず発売され、AF時代に合わせその光学系を受け継いだのがこの「AiAF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S」になります。
そして1991年におそらくファンの要望が強かったのか、回転式ズームを捨てて直進式ズームになって発売されたのが「Ai AF Zoom Nikkor 35-105mmF3.5-4.5S(NEW)」で、これも光学系は「Ai Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S」を受け継いでいました。
35-105mmシリーズの最後のモデルとして1994年に発売されたのが「Ai AF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5D(IF)」になりますが、光学系は別物の非球面レンズを用いた10群13枚のインナーフォーカス式となっていて、小型化を優先していた為にマクロ機構も省略されていたと思います。

1986年発売 当時の価格は¥54.000 レンズ構成: 12群16枚 重さ: 460g
絞り羽根枚数: 7枚 最小絞り: F22 フィルター径: 52mm
最短撮影距離: 1.4m(マクロモード時はおおよそ0.4m)

参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。

 

①前群レンズの取り外し

nikkor 35-105mm 分解レンズ前群

A: まずフォーカスを無限遠の位置にセットします。
前群レンズの回転角の位置をフィルター枠に鉛筆などでマーキングしておきます。

B: 前群レンズを固定している6個のイモネジを緩めます。
この時に前群レンズが回転しない様にして下さい。

C: 前群レンズを無限遠の位置で固定したまま、フィルター枠部分を時計回りに45度くらい回して押し込むと前群レンズのバヨネット部分が外れます。
そして前群レンズと鏡筒の位置関係を図のようにマーキングしておきます。

D: 次に前群レンズを時計回りに回し、外れるまでの回転角と外れる瞬間の位置をマーキングしておきます。

②前群レンズの分解清掃と2群レンズユニットの取り外し

nikkor 35-105mm レンズ清掃A: レンズ前群を分解・清掃します。
レンズとスペーサーの向きはマーキングなどをして必ず厳守してください。

B: 2群レンズユニットはレンズを固定している化粧リングを外さないとカニ目ツールを入れる事ができませんので、吸盤オープナーなどで化粧リングを外します。

C: 化粧リングを外したらカニ目ツールなどで2群レンズユニットを外しますが、化粧リングを外すと前側のレンズが落下するので注意して作業を行ってください。

D: 2群レンズユニットにはスペーサーが入っていますので、外しておきます。

③2群レンズユニットの分解清掃と後群レンズの取り外し

nikkor 35-105mm レンズ後群清掃A: 2群レンズユニットを分解・清掃します。

B: マウントに付いている遮光パーツを取り外します。
電子接点は取り外さなくても大丈夫です。

C: 後群レンズユニットをカニ目ツールなどを使って反時計回りに回して取り外します。

D: 後群レンズユニットを分解・清掃します。
ここもレンズの向きを間違えないようにして下さい。

④3群レンズの分解清掃とレンズ構成

nikkor 35-105mm 3群レンズ清掃

A: 後群レンズの奥にある3群レンズユニットも外し、レンズとスペーサーの向きに注意しながら分解清掃します。

B: 絞り羽根の動きと油分が付着していないかチェックします。
露出が暴れる時は絞り羽根に油分が付いているか、その付帯機構の動きに問題が発生している事が多いです。

C: 各レンズ群はこんな順番で鏡筒に組み込まれています。
MF時代の光学系をそのまま受け継いでいるので整備性に優れていました。

⑤1983年に発売された「Ai Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S」との比較画像

nikkor 35-105mm比較マニュアルフォーカスである「Ai Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S」の光学系をそのまま引き継いでいるのが分かります。

nikkor 35-105mm新旧比較後群レンズもそのままの設計で使われている感じでした。
今回は比べていませんが、「Ai AF Zoom Nikkor 35-105mmF3.5-4.5S(NEW)」も同じ光学系を使っています。

⑥「Ai AF Zoom Nikkor 35-105mmF3.5-4.5S」の作例

nikkor 35-105mm作例 ススキ使用カメラはD700で、後半4枚はD90になっています。
105mm  f4.5開放

⑦柵のチェーン

nikkor 35-105mm作例柵105mm  f4.5開放

⑧雑草

105mm  f4.5開放 雑草105mmマクロモード  f4.5

⑨ヤナギ

105mm  f4.5開放 ヤナギ35mm  f6.3

⑩不法投棄のタイヤ

105mm  f4.5開放 不法投棄85mm  f4.2
警告のステッカーが貼られていましたけど、結局回収は回り回って我らの税金なんですよね💦

⑪ススキⅡ

105mm  f4.5開放 すすき2105mm  f4.5

⑫河川の景色

105mm  f4.5開放 河川の景色35mm  f8.0

⑬セイタカアワダチソウ

105mm  f4.5開放 セイタカアワダソウマクロモード最短撮影距離 105mm  f5.6

⑭ブランコ

105mm  f4.5開放 ブランコ62mm  f4.5

⑮ブランコの鎖

105mm  f4.5開放 鎖マクロマクロモード 105mm  f5.6

⑯田園風景

105mm  f4.5開放 田園風景105mm  f8.0
野焼きしているのを見ていると秋も深まってきたなぁ~、なんて思います。

広角では寄れないけど、ズーム全域にわたって良い描写をします。
テレ端でのマクロモードも結構寄れるので便利だと思いました^^

 

◎レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、レンズの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしレンズを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)

コメントはできればこちらの「ヨッシーハイムannex」ヘお願いします。

 

以上、【ニコン「AiAF Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5S」分解・清掃・作例】でした!

 

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