◎今回はアダプトールマウントだけが欲しくて買ったタムロン 「TAMRON 85-210mm f4.5 (Z-210)」なんですが、ちょっと分解したら最後まで整備してしまいました^^;
注意点として、このレンズの後群は調整されており、それが鏡筒の中にあるイモネジで固定してある為に後ろから緩めても外せない点です。
良い点はズームリングの後ろで2分割できる構造になっているので、レンズの清掃自体はとても楽という事ですね^^
不人気クラスのズームですが、割としっかりした造りと写りに感心しました。
☆このレンズのズーム&フォーカスリングの鮫肌ゴムは代替品を使っています(下記参照)
1973年発売~1976年生産終了(推定) 当時の価格は¥33.800 モデル: Z-210
レンズ構成: 9群12枚 絞り羽根枚数: 6枚 最小絞り: 22 フィルター径: 55mm
最短撮影距離: 2.0m(タムロンHPには1.5mと書いてありますが、このレンズはマクロ機構が無く、距離指標には2.0mまでしか書いてありませんでした) 重さ: 670g
外寸: 65x151mm 焦点移動量: 8/100 シルバーモデルあり。
参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。
①それでは前群レンズから分解・清掃していきます
A: まず銘板を反時計回りに回して外し、フードを取り外します。
銘板が外れない場合はエタノールを染み込ませて待つか、ドライヤーで温めてから緩めてみます。
B: 一か所だけあるイモネジを緩めます。
イモネジは潰すと修正が効かないので、エタノールを染み込ませてちょっと叩くと割と簡単に緩む事があります。
C: 前群ユニットを反時計回りに回して外し、イモネジの打痕を確認します。
D:組み立てる時はこのイモネジの打痕をライトで照らしながら穴にピッタリ合わせて組み立てればOKです。
もし無限遠が出ない場合は調整する必要がありますが…^^;
②前群レンズの清掃と鏡筒の分割
A: 前群ユニットを分解して各レンズの向きに注意して清掃し、組み立てます。
B: 鏡筒の中玉(前)を外して清掃しますが、レンズの向きだけはしっかりマーキングしておいてください。
C: 鏡筒を分割する為にまずは「ズームリングゴム」を外し、そしてイモネジ3個を潰さないように注意しながら外します。
D: そしてズームリングを60度回してプラスネジ3個を外します。
③鏡筒の分割と中玉(後)の清掃
A: ネジを外したら、そのまま鏡筒を引っ張れば分割できます。
組み立てる時は丸印の指標基準線を合わせるだけです。
B: そして中玉(後)を外して清掃しますが、レンズとスペーサーの向きだけはしっかりマーキングしておいて下さい。
C: レンズを清掃して組み立てます。
D: レンズ後群はこのイモネジを緩めないと外せない仕組みになっています。
ここは調整されていますので、また画像①のDのようにイモネジの打痕を見て組み立てる必要があります。
④レンズ後群の清掃と絞り羽根の清掃
A: 後群ユニットを外す時は必ず絞りリングをEEの位置にしないと取れません。
後群ユニットは外れるまでの回転数を数えておくと、組み立て時のイモネジ打痕セットが楽になります。
B: 後群ユニットを分解し、各レンズとスペーサーの向きを厳守して清掃・組み立てます。
ここのレンズが曇っている場合は酸化セリウムで欲張らない程度に研磨するしかありません^^;
C: ここは調整されているので、組み立てる時はネジ穴をライトで照らしながらイモネジの打痕をネジ穴の中心に合わせ、慎重にイモネジを取り付けます。
D: 絞り羽根の清掃はカバーを外せばそのままアクセスできますが、カバーと本体の間には小さなスペーサーが入っているので気をつけて下さい!!
⑤鏡筒の組み立てと紛失してた鮫肌ゴムリングの代替品
A: 鏡筒の組み立てはまずプラスネジを取り付け、締めこまない状態にしておきます。
B: そしてイモネジを取り付け、プラスネジを本締めして完成です。
この作業手順はセンターを出す為に重要です。
C: このレンズ、買った時からあの特徴的な鮫肌ゴムが付いてなかったんですよね…^^;
レンズの価格以上にお金をかけたくなかった自分は100均でこんなのを買ってみました。
D: ちょっと伸ばして貼るので、横幅は多めにカットしました。
ぶっちゃけ全然長さが足りなかったんですけどね^^;
⑥ズーム&フォーカスリングゴムの100均代替品はこんな仕上がり(笑)
(笑) もう笑うしかないと思います。
見た目はなかなかのものですが、触るとフニャフニャで慣れが必要です^^;
もともと滑り止めなので、その点では汗かいても滑りませんでした。
あとは耐久性でしょうか…(汗)
⑦タムロン「TAMRON 85-210mm f4.5 (Z-210)」の作例
使用カメラはAPS-Cの10年戦士「ニコンD90」です。 85mm 1/160 iso400
絞り値は忘れましたので(汗)、開放のみ記載しています、
⑧公園のベンチ
⑨川の雑草
210mm 1/500 iso400
⑩川に橋がある景色
85mm 1/1000 iso400
⑪川の欄干 85mm開放
85mm f4.5 1/1250 iso400
⑫川の欄干 210mm開放
210mm f4.5 1/2000 iso400
⑬アレナリア・モンタナ
210mm 1/640 iso400 最短撮影距離2.0m
マクロ機能は1976年発売の「CZ-210M」まで搭載されず、これが精一杯です。
⑭積乱雲
85mm 1/400 iso400
⑮トラックのテールライト
後群レンズが僅かに曇っているので参考にならないかもしれませんが、ズーム全域で開放から良く写る感じでした。
ズームによる焦点距離移動も少なく、マニュアルでも扱いやすかったです。
価格も安いので、オールドズームレンズ遊びにおススメできると思いました^^
◎レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、レンズの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしレンズを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)
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以上、【タムロン「TAMRON 85-210mm f4.5 (Z-210)」分解・清掃・作例】でした!
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