タムロン「SP AF17-50mm F2.8 XR DiⅡ(A16)」(EF)分解清掃・ニコイチ・作例

タムロン

◎以前、別ブログでこの「TAMRON SP AF17-50mm F2.8(A16)」EFマウントのエラー修理(フレキシブルケーブル断線)をやったのですが、またフレキシブルケーブルが断線したので💦、ニコイチするレンズを探していたんです。
そうしていたら、ジャンクで同じレンズをゲットできたので、その分解清掃の様子になります。

2006年発売 2008年生産終了 当時の価格は¥55,000(税込¥57,750)
レンズ構成: 13群16枚 絞り羽根枚数: 7枚 最短撮影距離: 0.27m (全域)
最大撮影倍率: 1:4.5(50mm最短) フィルター径: 67mm 重さ: 430g
最小絞り: F32 外寸: 83.2×73.8mm

参考として「レンズの分解・清掃に必要な道具とコツ」、「バルサム切れ修理」、「レンズの黄変の修理」、「弱いレンズコーティング」などを記事にしていますのでそちらもご覧ください。

 

①1群レンズの取り外し

A: ズームリングが空転して使い物にならないレンズを買ってきました!
でも正直、これでニコイチできる内容かは不明なんですが💦
B: 化粧リングは3つのピンで刺さっているだけで、まず切り欠きに精密ドライバーを入れ、ピンを折らない様に3カ所均等に少しずつ持ち上げて外します。

C: 何とか折らずに外せましたが、知らない頃は折ってしまいました^^;
D: 1群は調整されていますので、慎重にネジを外し、フィルター枠も外します。

②マウント外し

A: 1群の回転方向の取付位置をマーキングしたら、1群を外して清掃します。
B: マウントはまず必ず電子接点の小さなネジ2個から外します。

C: ズームリングを回して後群を奥にやったら、指を入れて嵌めてあるだけの遮光パーツを外します。
D: 電子接点をフリーにしたらマウントのネジを外し、マウントを外します。

③基盤の取り外し

A: マウントに付いているスペーサーの取付位置を確認し、スペーサーを回収します。
B: カプラーのロックは持ち上げるタイプ(上)と引き抜くタイプ(下)がありますので、それぞれ解除したらケーブルを引き抜きます。

C: こちらは引き抜くタイプです。
組み立てる時はできれば接点復活剤を塗っておくとトラブルが防げます。
D: 基盤を固定しているネジを外し、基盤を取り外します。

④各パーツの取り外し

A: 基盤が外れました。
組み立てた時のケーブル配置の参考にして下さい。
B: 制御カムパーツに入っているピン位置を確認したら、位置マーキングをしておきます。

C: 制御カムパーツを外します。
D: 次にAF/MFスイッチの後ろにある爪を内側に押しつつ、AF/MFスイッチを外します。

⑤マウント下駄の取り外し

A: こんな感じでAF/MFスイッチが外れます。
B: ケーブル固定ネジ1個、マウント下駄固定ネジ5個を外します。

C: ここだけちょっと奥にありますので、他のネジと間違えない様にして下さい。
D: ケーブルに注意しながらマウント下駄を外します。

⑥AFモーター・ズームリングの取り外し

A: AFモーターユニットを固定している2個のネジを外します。
B: AFモーターユニットのギヤが入っている位置を確認しながら外します。

C: ズームリングを固定している4個のネジを外します。
D: 何とここで異常を発見してしまいました💦
ズームリングと連動しているパーツが傾いています…。

⑦ズームリングが空転する原因を発見

A: ズームリングを引き抜きますが、リング裏の連動パーツが入る位置も確認して下さい。
B: ズームリングが空転する理由はここの連動パーツがポッキリ折れていた事からでした💦
しかもフレキシブルケーブルまでズタズタです。

C: 仕方ないので折れた連動パーツとグチャグチャになったフレキシブルケーブルを取り外します。
D: あーあ。 これは酷いです💦
このレンズで欲しい部品は1群レンズと3群レンズのフレキシブルケーブルなので問題は無いのですが…。
このA16は無理にズームリングを動かさない方が良さそうな感じですね。

尚、正常品の場合はここでこの連動パーツ&接点を外しておいて下さい。

⑧4群レンズの取り外し

A: 一応、このレンズはMFで使える様に連動パーツは接着しました。
矢印の部分がズームリング内側の溝に入ります。
B: お掃除しました。

C: フォーカス用の電子接点を外します。
D: 4群レンズユニットの取付位置マーキングをし、4群レンズユニットを外してスペーサーも回収します。
外したレンズを清掃します。

⑨フォーカスリングの取り外し

A: フォーカスリング連動パーツを外します。
B: 外したネジは一時的に戻しておくと、ネジの位置を間違えなくなるのでお勧めです。

C: コロ&ネジを2組外します。
D: 取付位置のマーキングをしたら、フォーカスリングを引き抜きます。

⑩前筒の取り外し

A: 前筒を固定しているネジ3個を外します。
B: コロが落ちてきますので、前筒をゆっくり慎重に引き抜きます。

C: コロには切り欠きがあり、組む時はここを前筒の溝に入れます。
D: 4群レンズ用ステーを固定しているコロ&ネジ3組を外します。

⑪3群レンズユニットの取り外し

A: 位置マーキングをしながら4群ステーを外します。
B: 3群レンズユニットを固定しているコロ&ネジ3組を外します。
C: 位置マーキングをしながら3群レンズユニットを外して清掃します。

今回はドナーが1群レンズコーティング痛み&3群レンズユニットのフレキシブルケーブル断線だったものですから、同じ工程をしてニコイチしました。
なので2群レンズには触れていませんが、必要なら取り外して清掃して下さい。

後は逆の手順で組み立てれば完成です^^

⑫組み立ての一部画像

A: こちらはドナーの正常な連動パーツとフレキシブルケーブルです。
しかしこの部品が折れたのは、おそらく鋳造時に気泡が入ったか、密度が低かったのかもしれませんね^^;

B: AF/MFスイッチを組む時は、スイッチをAFにし、レンズ側の青いスイッチも上に上がっているか確認して下さい。(画像は下になってますが💦)

 

⑬TAMRON SP AF17-50mm F2.8 XR DiⅡ(A16) LD Aspherical [IF]の作例

39mm f8.0 甲種輸送
使用カメラは「Canon EOS KISSx3」になります。

⑭天使の梯子

21mm f8.0

⑮甲種輸送

30mm f8.0
上の画像とは違う場所で撮影しています。

⑯屋外フィギュア撮影

35mm  f8.0
被写体は「バンプレスト アイドルマスター シンデレラガールズ Emotional lens 乙倉悠貴」
手持ちだったので35mmで撮りましたが、50mmでもうちょっと絞るのが理想です^^;

⑰ドライブ

42mm  f8.0

⑱トラス橋

17mm  f8.0

⑲逆光にて

17mm  f8.0

⑳トンネル

17mm  f2.8開放

㉑信号待ちの車

43mm  f2.8開放

㉒メガネ屋さん

30mm  f2.8

㉓ご馳走様でした

50mm  f2.8

望遠端の開放はちょっと甘く感じるシーンもありますが、それ以外はコストパフォーマンスの高い明るいズームレンズだと思います^^

 

 

◎レンズの分解・清掃はリスクが伴いますので、できればプロに任せる事をお勧め致します。
あくまでこの分解・清掃は個人的な趣味の為、間違っている事も多いと思いますので、レンズの仕組みを勉強する程度にして下さると嬉しいです。
もしレンズを分解・清掃する場合は必ず自己責任でお願い致します(汗)

コメントはできればこちらの「ヨッシーハイムannex」ヘお願いします。

 

以上、【タムロン「SP AF17-50mm F2.8 XR DiⅡ(A16)」(EF)分解清掃・ニコイチ・作例】でした!

 

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